当記事ではファクタリング契約の流れについて解説します。
まず、ファクタリング契約の基本的な流れは以下の通りです。
- 事前相談
- 申込
- 必要書類提出
- ファクタリング会社での審査
- 契約
ファクタリングをスムーズに完了させるためには、事前に契約の流れを理解しておくことが重要です。
当記事ではファクタリング契約の流れに加え、契約時の必要書類や注意点などについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
まずはファクタリング契約の流れについて見ていきましょう。
ファクタリング契約の基本的な流れ
ファクタリング契約の流れは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで一部異なりますが、基本的には以下の通りです。
- 事前相談
- 申込
- 必要書類提出
- ファクタリング会社での審査
- 契約
それぞれについて詳しく解説していきます。
①事前相談
まずはファクタリング会社に、申込前の事前相談をしましょう。
ほとんどのファクタリング会社が事前相談を受けられるようになっており、簡易的に利用の見込みを確認することができます。
利用の見込みを確認する際は、ファクタリング会社から以下のような項目をヒアリングされることがあります。
- 売掛先の会社名、事業内容
- ファクタリングを利用する理由
- ファクタリングによって得た現金の使い道
- ファクタリング希望額
- 希望する入金の時期
何を聞かれてもいいように、事前に整理しておくようにしましょう。
利用の見込みだけでなく、手数料などの条件についても確認し、条件が合わなければ断ることも可能です。
相場から大きく外れた手数料や甘すぎる条件を提示してくるような場合、悪徳業者の可能性があるので注意が必要です。
また、複数のファクタリング会社に対し事前相談をすることをおすすめします。
手数料や担当者の対応などについて比較し、最も良いファクタリング会社を選びましょう。
②申込
事前相談をし、ファクタリング会社が決まれば、申込をします。
ファクタリング会社にもよりますが、様々な方法で申込ができるようになっており、代表的なのは以下4つです。
- 電話
- Web
- 来店
- 郵送
スピードを重視するならば、電話やWebで申し込むのが良いでしょう。
また、申込みを異常に急かしてくるようなことがあれば、悪徳業者の可能性があるので注意が必要です。
③必要書類提出
申込が完了したら、ファクタリング会社の審査に必要な書類の提出に移ります。
審査に必要な書類は基本的に以下6つです。
各書類の詳細については後ほど詳しく解説します。
- 本人確認書類
- 決算書(確定申告書)
- 成因資料
- 税金、社会保険関係書類
- 通帳の写し
- 事業内容の説明資料
この6つがそろっていれば問題なく審査してもらえるでしょう。
ファクタリング会社によって必要書類は異なるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
必要書類がそろわないと、ファクタリング会社での審査を始めることができないため、必要書類は事前に準備しておくことが重要です。
④ファクタリング会社での審査
必要書類の提出が完了すれば、ファクタリング会社での審査に移ります。
ファクタリングでは、基本的に売掛先についての審査が優先となります。
なぜなら、売掛先が倒産してしまえば、ファクタリング会社は貸し倒れになってしまうからです。
とはいえ、利用者についても審査しないわけではありません。
利用者の印象も審査に影響するため、真摯に対応することで、ファクタリング会社からの信用を勝ち取りましょう。
また、追加の資料を請求されることもあります。
⑤契約
ファクタリング会社の審査に通過すれば、契約に移ります。
契約時にも必要な書類があり、代表的なものは以下2つです。
各書類の詳細については後ほど詳しく解説します。
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 法人代表印の印鑑証明書
この2つについてはほとんどのファクタリング契約で必要になるため、なるべく事前に準備しておきましょう。
また、契約時は契約書の内容を十分に確認しておくことが重要です。
なぜなら万が一利用者にとって不利な内容が盛り込まれていても、契約をしてしまった後では取り返しがつかないからです。
契約書を十分に確認し、疑問点が無い状態で、契約に踏み切りましょう。
以上がファクタリング契約の基本的な流れです。
スムーズに資金調達を完了させるためにも、流れをしっかりと頭に入れておきましょう。
次項では2社間ファクタリングの契約の流れについて解説します。
2社間ファクタリングの契約の流れ
2社間ファクタリングの契約の流れは、前項で解説した基本的な流れとほとんど同じです。
前項のおさらいのつもりで読んでいただければと思います。
- 事前相談
- 申込
- 必要書類の提出
- ファクタリング会社での審査
- 契約
ファクタリング会社に対して、簡易的に利用の見込みを確認します。
ファクタリング会社に対して以下のような方法で申し込みます。
・電話
・Web
・来店
・郵送
スピードを重視するならば、電話やWebで申し込むことをおすすめします。
審査に必要な書類を提出します。代表的なものは以下6つです。
・本人確認書類
・決算書(確定申告書)
・成因資料
・税金、社会保険関係書類
・通帳の写し
・事業内容の説明資料
ファクタリング会社で、ファクタリングの利用可否や手数料率についての審査を行います。
追加で書類を求められることもあります。
最後はファクタリング会社との契約です。
不利な取引にならないよう、契約書の内容を十分に確認するようにしましょう。
また、契約時に必要になる書類は、主に以下2つです。
・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
・法人代表印の印鑑証明書
以上が2社間ファクタリングの契約の流れです。
続いて3社間ファクタリングの契約の流れについて解説します。
2社間ファクタリングと比較すると、工程が増えているので注意しましょう。
3社間ファクタリングの契約の流れ
3社間ファクタリングの契約の流れには、売掛先が関わってきます。
売掛先が関わる項目に注意して見ていきましょう。
- 売掛先にファクタリング利用の承諾を得る
- 事前相談
- 申込
- 必要書類の提出
- ファクタリング会社での審査
- 契約
3社間ファクタリングは売掛先も含めた契約となるため、売掛先の承諾を得ることが最優先です。
売掛先の承諾を得る際は、3社間ファクタリングの契約の流れを説明できるようにしておきましょう。
ファクタリング会社に対して、簡易的に利用の見込みを確認します。
ファクタリング会社に対して以下のような方法で申し込みます。
・電話
・Web
・来店
・郵送
スピードを重視するならば、電話やWebで申し込むことをおすすめします。
審査に必要な書類を提出します。代表的なものは以下6つです。
・本人確認書類
・決算書(確定申告書)
・成因資料
・税金、社会保険関係書類
・通帳の写し
・事業内容の説明資料
ファクタリング会社で、ファクタリングの利用可否や手数料率についての審査を行います。
追加で書類を求められることもあります。
売掛先・ファクタリング会社・利用者の3社間で契約します。
不利な取引にならないよう、契約書の内容を十分に確認するようにしましょう。
契約時に必要になる書類は、主に以下2つです。
・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
・法人代表印の印鑑証明書
利用者だけでなく、売掛先についても同様の書類を求められることがあるので、必要な場合は事前に売掛先に伝えておく必要があります。
以上が3社間ファクタリングの契約の流れです。
2社間ファクタリングと比較すると、売掛先も含めた工程が増えてしまうため、入金スピードは劣ってしまうでしょう。
次項ではファクタリング契約時の必要書類について解説します。
ファクタリング契約時の必要書類
ファクタリング契約時の必要書類は主に以下8つです。
- 本人確認書類
- 決算書(確定申告書)
- 成因資料
- 税金、社会保険関係書類
- 通帳の写し
- 事業内容の説明資料
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 法人代表印の印鑑証明書
ファクタリング会社によって必要書類は異なりますが、上記の8つがそろっていれば問題なく手続きできるでしょう。
それぞれの書類について詳しく解説します。
ファクタリング契約時の必要書類①本人確認書類
ファクタリングの申込をする際に、代表者の本人確認書類の提出が必要になります。
なりすましや虚偽の申込を防ぐ目的で必要となり、以下のような顔写真付きのものが望ましいでしょう。
- 免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
顔写真付きのものがどうしてもなければ、保険証や公共料金の領収書等で対応可能な場合もありますが、この点はファクタリング会社に確認が必要です。
ファクタリング契約時の必要書類②決算書(確定申告書)
決算書(確定申告書)は、ファクタリング会社が利用者の事業規模や売掛債権の保有量を確認するために必要となります。
基本的に直近2~3期分を求められ、最終の決算月から3~6ヶ月経過している場合は、当年度の試算表などが必要になることもあります。
売掛先の審査が優先のため、利用者の決算の内容が赤字や債務超過でも大目にみてもらえることが多いでしょう。
ファクタリング契約時の必要書類③成因資料
成因資料とは、ファクタリングの対象となる売掛金が実在することを証明する書類です。
成因資料の代表的なものは以下が挙げられます。
- 売掛債権の対象となる商品の請求書
- 売掛債権の対象となる商品の納品書
- 売掛債権の対象となる商品の発注書
成因資料に加えて、利用者・売掛先間の取引自体を証明する書類として、利用者・売掛先間で締結した契約書等を求められる場合もあります。
ファクタリング契約時の必要書類④税金、社会保険関係書類
税金、社会保険関係書類の代表的なものは、納税証明書です。
納税証明書が必要になるのは、ファクタリング会社が利用者の納税の状況を確認するためです。
税金の滞納や支払遅延があっても、それだけで審査落ちしてしまうわけではないので安心してください。
納税証明書は本社の所在地を管轄する税務署で取得可能です。
納税証明書にはいくつか種類があり、ファクタリングの際に必要となるのは以下です。
法人(税金滞納が無い場合) | 納税証明書その3の3 |
法人(税金滞納がある場合) | 納税証明書その1 |
個人事業主 | 納税証明書その1、2 |
ファクタリング契約時の必要書類⑤通帳の写し
必要となる通帳の写しは実際に取引で使用されているものです。
ファクタリング会社が、利用者・売掛先間の取引年数や入金履歴を確認するために必要となります。
取引年数が長く、過去に何度も入金履歴のある売掛先であれば、ファクタリング会社から信用され、審査の通過率も上がります。
通帳に履歴がない初めての取引でも対応してもらえる可能性はあるので、ファクタリング会社に相談してみましょう。
ファクタリング契約時の必要書類⑥事業内容の説明資料
事業内容の説明資料も求められる場合があります。
ファクタリング会社が、利用者の事業内容や事業規模等を確認するためです。
会社のパンフレットやホームページの写し、名刺などがあれば問題ありません。
ファクタリング契約時の必要書類⑦履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
履歴事項全部証明書(登記簿謄本)は役員の名前や設立年数、資本金などが記載された書類です。
会社の実体を証明するために必要となり、取得してから3ヶ月以内のものが有効となります。
履歴事項全部証明書は本社の所在地を管轄する法務局で取得可能です。
ファクタリング契約時の必要書類⑧法人代表印の印鑑証明書
印鑑証明書は契約書類内の法人代表印が正当なものである証拠として必要になり、取得してから3ヶ月以内のものが有効となります。
印鑑証明書は本社の所在地を管轄する法務局で取得可能です。
ファクタリング会社によっては最大3通が必要になるので、3通程度用意しておくことをおすすめします。
法人代表印の印鑑証明書に加えて、代表者の印鑑の印鑑証明書についても必要になる場合があるので、用意しておくようにしましょう。
個人の印鑑証明書は居住地を管轄する自治体で取得可能です。
以上がファクタリング契約時の必要書類です。
中には準備に時間がかかってしまうものもあるため、事前に準備しておくようにしましょう。
また、3社間ファクタリングでは売掛先にも書類を準備してもらうケースがあるので、あらかじめ準備してもらうよう伝えておく必要があります。
次項ではファクタリング契約時の注意点について解説します。
ファクタリング契約時の注意点
ファクタリングの契約が完了すると、取り消すことは容易ではありません。
そのため、ファクタリングの契約の際は、利用者にとって不利益な点がないか十分注意するようにしましょう。
特に注意すべき点は以下3つです。
- 契約書の内容を確認する
- 手数料を確認する
- ファクタリング会社からの請求の内容を確認する
それぞれについて詳しく解説します。
注意点①契約書の内容を確認する
契約書の内容については、利用者にとって不利な内容が盛り込まれていないかの確認が必要となります。
特に以下3点について重点的に確認するようにしましょう。
- 償還請求権について
- 債権譲渡通知について
- 債権譲渡登記について
それぞれについて詳しく解説します。
償還請求権について
償還請求権とは万が一売掛金の回収ができなかった場合、ファクタリング会社が利用者に対して売掛債権の買取金額の返金を請求できるということです。
通常ほとんどのファクタリングに償還請求権はありません。
そのため、万が一売掛金の回収ができなかった場合でも、売掛債権の買取金額の返金をする必要がないケースが大半です。
契約書内に償還請求権の文言が入っていたら、内容を十分に確認するようにしましょう。
債権譲渡通知について
債権譲渡通知とは売掛先に対して、売掛債権が譲渡された旨を通知するということです。
3社間ファクタリングであれば、当然売掛先はファクタリングの事実を知ることになります。
それに対し、2社間ファクタリングは売掛先に通知することなく、ファクタリングを利用することができます。
そのため、2社間ファクタリングにも関わらず契約書内に債権譲渡通知の文言が入っていたら、内容を十分に確認するようにしましょう。
債権譲渡登記について
債権譲渡登記とは、売掛債権が譲渡された事実を客観的な証拠として残しておく登記です。
債権譲渡登記を行う理由は、売掛債権の二重売買を防止するためやファクタリング会社が売掛債権に対する権利を主張するためです。
債権譲渡登記が必須なファクタリング会社も存在しますが、すべてのファクタリング会社が債権譲渡登記を必須とするわけではありません。
また、債権譲渡登記をすることで、利用者が費用を負担することになってしまったり、登記情報が誰でも閲覧可能になってしまうというデメリットがあります。
可能性は非常に低いですが、万が一売掛先が登記情報を見てしまった場合、ファクタリングを利用した事実が知られてしまいます。
しかし、契約上債権譲渡登記が必須なファクタリング会社もあるので、そのようなデメリットがあるという点を理解しておきましょう。
注意点②手数料を確認する
ファクタリング会社から提示された手数料を相場と照らし合わせて、大きく外れていないか確認しましょう。
相場から大きく外れた手数料を提示してくる場合、悪徳業者の可能性があります。
ファクタリングの手数料相場は以下の通りです。
2社間ファクタリング | 5~30% |
3社間ファクタリング | 0.5~5% |
相場と比較して手数料が大幅に高い場合はもちろん、手数料が法外に安い場合も注意が必要です。
注意点③ファクタリング会社からの請求の内容を確認する
ファクタリング会社からの請求の内容を十分に確認するようにしましょう。
というのも、ファクタリング会社の中には、見かけの手数料率を安くして、別の名目で手数料を取っているケースもあるのです。
請求の内容の中で、不明瞭な項目があればファクタリング会社に確認する必要があります。
優良なファクタリング会社であれば請求の内容は明確になっているでしょう。
以上がファクタリング契約時の注意点です。
特に急ぎの資金調達の場合、現金の入手が先行してしまい、契約内容の確認を怠ってしまいがちです。
契約内容の確認を怠ると、不利な契約になってしまうこともあるため、契約内容は十分に確認するようにしましょう。
また、ファクタリングの契約が完了したからといって、すべてが終わったわけではありません。
次項ではファクタリング契約後にすべきことについて解説します。
ファクタリング契約後にすべきこと
ファクタリングの契約が完了しただけでは一安心とはいえません。
ファクタリング契約後は、以下3つを完了させるようにしましょう。
- 入金の確認をする
- 売掛金をファクタリング会社に支払う
- 債権譲渡登記を消去する
それぞれについて詳しく解説します。
契約後にすべきこと①入金の確認をする
ファクタリング会社から買取金額の入金がされているか確認しましょう。
ファクタリングでは基本的に利用者の口座に振り込まれる形になります。
早ければ契約後即入金されることもありますが、ファクタリング会社によっては数日かかってしまうケースもあります。
また、ファクタリング会社からの入金が遅い時間だった場合、金融機関の都合で口座への反映が翌日になることもあるので注意しましょう。
契約後にすべきこと②売掛金をファクタリング会社に支払う
売掛金の回収が完了したら、ファクタリング会社への支払いを完了させましょう。
3社間ファクタリングの場合は、ファクタリング会社が直接売掛金を回収するため、利用者が回収する必要はありません。
2社間ファクタリングでは、利用者が売掛金を回収し、ファクタリング会社に支払う流れになります。
したがって、ファクタリング会社への支払いを完了させてこそ、ファクタリングが完了したといえるのです。
また、支払いを速やかに完了させることでファクタリング会社から信用され、再度ファクタリングを利用する際に条件等で優遇してもらえる可能性もあります。
契約後にすべきこと③債権譲渡登記を消去する
債権債権譲渡登記を行った場合、ファクタリング完了後に登記を消去しましょう。
登記が残ってしまうと、今後取引先に見られてしまう可能性があります。
数千円程度の費用はかかってしまいますが、ファクタリングの利用を知られるリスクを考えれば大きな負担ではないでしょう。
以上がファクタリング契約後にすべきことです。
最後まで気を抜かずに、ファクタリングを完了させるようにしましょう。
まとめ
ファクタリングの契約の流れや必要書類、注意点について解説しました。
基本的な流れについてもう一度おさらいしましょう。
- 事前相談
- 申込
- 必要書類提出
- ファクタリング会社での審査
- 契約
ファクタリングでスムーズに資金調達を完了させるためには、契約の流れや必要書類を理解しておくことが重要です。
また、急ぎの資金調達であっても、契約内容を十分に確認した上で契約するようにしましょう。
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