当ページではファクタリングを利用する際の必要書類について解説していきます。
ファクタリングを利用する際は、基本的には以下8つの書類が必要となります。
- 本人確認書類
- 決算書(確定申告書)
- 成因資料
- 税金、社会保険関係書類
- 通帳の写し
- 事業内容の説明資料
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 法人代表印の印鑑証明書
ファクタリング会社によって必要書類は異なりますが、上記8つの書類が全てそろっていれば、ほとんどのファクタリング会社で手続きができるでしょう。
この8つの書類がなぜ必要なのか、どこで入手できるかということに加えて、実際のファクタリング会社毎の必要書類を解説していきます。
まずはファクタリングの審査時の必要書類について見ていきましょう。
ファクタリング審査時の必要書類
ファクタリングの審査時の必要書類は、基本的に以下6つです。
- 本人確認書類
- 決算書(確定申告書)
- 成因資料
- 税金、社会保険関係書類
- 通帳の写し
- 事業内容の説明資料
審査時の必要書類はファクタリング会社によって異なり、上記6つの書類に加えて、専用の審査申込書が必要な場合もあります。
専用の審査申込書はファクタリング会社で用意しているものなので、利用者側で準備する必要はありません。
それぞれの書類について詳しく解説します。
審査時の必要書類①本人確認書類
ファクタリングの審査を申し込むにあたり、代表者の本人確認書類の提出が必要になります。
本人確認書類が必要なのは、なりすましや虚偽の申込を防ぐ目的です。
なりすまし防止の意味合いで、顔写真付きのものを提出するのが望ましいでしょう。
本人確認書類として代表的なものは以下が挙げられます。
- 免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
顔写真付きのものがどうしてもなければ、保険証や公共料金の領収書等で対応可能な場合もありますが、この点はファクタリング会社に確認が必要です。
審査時の必要書類②決算書(確定申告書)
決算書(確定申告書)は法人税の算出のために税務署に提出した会計書類一式です。
決算書(確定申告書)は、ファクタリング会社が利用者の事業規模や売掛債権の保有量を確認するために必要となります。
基本的に直近2~3期分を求められ、最終の決算月から3~6ヶ月経過している場合は、当年度の試算表などが必要になることもあります。
また、決算の内容が赤字や債務超過でも審査では大目にみられるでしょう。
なぜならファクタリングの審査で最も重視されるのは、「売掛先の信用力」だからです。
利用者が赤字や債務超過でも、売掛金の回収が確実にできれば、ファクタリング会社からすれば問題ないのです。
審査時の必要書類③成因資料
成因資料とは、ファクタリングの対象となる売掛金が実在することを証明する書類です。
2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社が直接売掛金を回収することができません。
そのため、ファクタリング会社ではその売掛金が正当なものか確認できないため、利用者みずから売掛金が実在することを証明する必要があるのです。
成因資料の代表的なものは以下が挙げられます。
- 売掛債権の対象となる商品の請求書
- 売掛債権の対象となる商品の納品書
- 売掛債権の対象となる商品の発注書
成因資料に加えて、利用者・売掛先間の取引自体を証明する書類として、利用者・売掛先間で締結した契約書等を求められる場合もあります。
審査時の必要書類④税金、社会保険関係書類
税金、社会保険関係書類の代表的なものは、納税証明書です。
納税証明書が必要になるのは、ファクタリング会社が利用者の納税の状況を確認するためです。
税金の滞納や支払遅延があっても、審査で落とされてしまうわけではありません。
万が一、利用者に税金の過剰な滞納や大幅な支払遅延があった場合、税務署から売掛金を差し押さえられてしまい、ファクタリング会社は買い取った現金を没収されてしまうリスクがあります。
差し押さえれることが無いよう、事前にファクタリング会社が税務署に対して調整するため、納税の状況を確認する必要があるのです。
納税証明書は本社の所在地を管轄する税務署で取得可能です。
納税証明書にはいくつか種類があるため、ファクタリング利用の際に取得すべきものを以下にまとめました。
法人(税金滞納が無い場合) | 納税証明書その3の3 |
法人(税金滞納がある場合) | 納税証明書その1 |
個人事業主 | 納税証明書その1、2 |
審査時の必要書類⑤通帳の写し
必要となる通帳の写しは実際に取引で使用されているものです。
ファクタリング会社が、利用者・売掛先間の取引年数や入金履歴を確認するために必要となります。
取引年数が長く、過去に何度も入金履歴のある売掛先であれば、ファクタリング会社から信用され、審査の通過率も上がります。
通帳に履歴がない初めての取引でも対応してもらえる可能性はあるので、ファクタリング会社に相談してみましょう。
審査時の必要書類⑥事業内容の説明資料
事業内容の説明資料も求められる場合があります。
ファクタリング会社が、利用者の事業内容や事業規模等を確認するためです。
加えて反社会的勢力との繋がりがないかについてもチェックされます。
会社のパンフレットやホームページの写し、名刺などを提出すれば問題ないでしょう。
以上がファクタリングの審査時の必要書類です。
ファクタリングの審査に時間をかけないよう、必要書類については事前に用意しておくようにしましょう。
続いてファクタリングの契約時の必要書類について解説します。
ファクタリング契約時の必要書類
ファクタリングの契約時の必要書類は、基本的に以下2つです。
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 法人代表印の印鑑証明書
必要書類はファクタリング会社によって異なりますが、上記2つの書類はほとんどのファクタリング会社で必要になるといっても過言ではありません。
逆に、この2つが求められなければ違法なファクタリング会社の可能性があるので、注意しましょう。
それぞれの書類について詳しく解説します。
契約時の必要書類①履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
履歴事項全部証明書(登記簿謄本)は役員の名前や設立年数、資本金などが記載された書類です。
履歴事項全部証明書は会社の実体を証明するために必要となります。
取得してから3ヶ月以内のものでないと有効になりません。
履歴事項全部証明書は本社の所在地を管轄する法務局で取得可能です。
契約時の必要書類②法人代表印の印鑑証明書
印鑑証明書は法人代表印が正しいものであることを証明する書類です。
ファクタリングの契約の際は、契約書類に法人代表印での押印が必須となります。
契約書類内の法人代表印が正しいものだと証明するために、印鑑証明書は必要になるのです。
印鑑証明書も本社の所在地を管轄する法務局で取得可能です。
取得してから3ヶ月以内のものでないと有効になりません。
ファクタリング会社によっては最大3通が必要になるので、3通程度用意しておくことをおすすめします。
法人代表印の印鑑証明書に加えて、代表者の印鑑の印鑑証明書についても必要になる場合があるので、用意しておくようにしましょう。
個人の印鑑証明書は居住地を管轄する自治体で取得可能です。
また、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)と法人代表印の印鑑証明書は、債権譲渡登記の必要書類でもあります。
ファクタリング会社によっては、ファクタリングを行う際に、債権譲渡登記を行います。
債権譲渡登記を行う場合もある
債権譲渡登記とは、債権を譲渡した事実を公示するための登記です。
債権譲渡登記により、ファクタリングを行ったという事実を公的な証拠として残すことができます。
ファクタリング会社にとって債権譲渡登記を行うメリットは、売掛債権の二重譲渡を防ぐことができるという点です。
ファクタリングの利用者の中には、同じ売掛債権を複数のファクタリング会社に売却し、違法に現金を入手しようとする人もいます。
債権譲渡登記を行っていれば、ファクタリング会社の審査時に売掛債権がすでに譲渡されていることが判明するため、二重譲渡を防ぐことができるのです。
債権譲渡登記を行う際は、利用者の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)と法人代表印の印鑑証明書が必要になります。
以上がファクタリング契約時の必要書類です。
契約時の必要書類については、限られた場所でしか取得できないため、余裕を持って準備することが重要です。
また、債権譲渡登記を行うかどうかはファクタリング会社によって異なるので、事前に確認するようにしましょう。
債権譲渡登記は債権譲渡の事実を公示する登記ですが、売掛先が債権譲渡登記を確認しなければ、ファクタリングを利用したことが知られることはありません。
次項では実際のファクタリング会社での必要書類を比較して紹介します。
ファクタリング会社毎の必要書類比較
ファクタリング会社によって必要書類は異なります。
どれほど違うのか、実際にファクタリング会社3社の契約書類を比較してみました。
ビートレーディングの必要書類
- 審査申込書(ビートレーディングにて用意)
- 成因資料
- 直近3ヶ月分の通帳の写し
- 代表者の身分証明書
- 代表者の印鑑証明書
- 法人代表印の印鑑証明書
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
アクセルファクターの必要書類
- 成因資料
- 直近3ヶ月分の通帳の写し
- 代表者の身分証明書
- 法人代表印の印鑑証明書
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
えんナビの必要書類
- 成因資料
- 直近3ヶ月分の通帳の写し
- 決算書(確定申告書)
- 代表者の身分証明書
- 法人代表印の印鑑証明書
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
ファクタリング会社3社の契約書類を比較してみると、各社によって必要書類は異なります。
しかし、3社に共通して必要な書類もあり、それは以下4つです。
- 成因資料
- 代表者の身分証明書
- 法人代表印の印鑑証明書
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
この4つがファクタリング会社の審査及び契約にとって、特に重要な書類となります。
また、ファクタリング利用時の必要書類として紹介した8つさえそろっていれば、3社の必要書類は網羅できているということも分かりますよね。
では、なぜファクタリング会社によって必要書類は異なるのでしょうか。
ファクタリング会社によって必要書類が異なる理由
ファクタリング会社によって必要書類が異なる理由は、審査基準が異なるからです。
ファクタリングは比較的新しい資金調達方法のため、まだ関連する法の整備が十分になされていません。
したがってファクタリング会社は、それぞれの基準で審査せざるを得ないのです。
それぞれの基準で審査を行うため、当然ながら審査の内容も微妙に異なり、それに伴い必要書類も変わってきます。
審査書類が少ない会社ほど、実績を積んでいて明確な審査基準があると言えます。
ただし、必要書類が多い会社が実績を積んでいないかと言うと、その限りではなく一概には言えません。
また、必要書類が極端に少ない、あるいは多い場合は悪徳会社の可能性があるので注意が必要です。
以上がファクタリング会社毎の必要書類の比較です。
ファクタリング会社によって必要書類は異なりますが、ファクタリング利用時の必要書類として紹介した8つさえあれば問題ないということもお分かりいただけましたでしょうか。
必要書類の中には、準備するのに時間がかかってしまうものもあるため、事前に準備しておくと良いでしょう。
ファクタリングの必要書類は事前に準備しておこう
ファクタリングの必要書類は事前に準備しておきましょう。
特に急ぎの資金調達の場合は、事前に準備しておくことが重要です。
というのも、ファクタリング会社からの入金が遅れる原因として非常に多いのが、利用者側で必要書類の入手が遅れてしまうことです。
ファクタリングでは早ければ即日に現金を入手することができます。
しかし、それを実現させるためには、利用者側でも遅滞なく必要書類を提出する必要があるのです。
必要書類がそろわなければ、その分ファクタリング会社の審査・契約が遅れてしまうことになるので、必要書類は事前に準備しておきましょう。
そのほか、即日入金のためのコツは以下の記事で解説しています。合わせて参考にしてみてください。
ファクタリングにおいて、即日入金が本当に実現できるのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。 結論から言うと、ファクタリングで即日入金は可能です。 しかし、どのファクタリング会社でも即日入金対応をしているわけではありませ[…]
まとめ
ファクタリングを利用する際の必要書類について解説しました。
8つの必要書類についてもう一度おさらいしましょう。
- 本人確認書類
- 決算書(確定申告書)
- 成因資料
- 税金、社会保険関係書類
- 通帳の写し
- 事業内容の説明資料
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 法人代表印の印鑑証明書
ファクタリング会社によって必要な書類は異なりますが、上記8つがそろっていれば基本的にどこのファクタリング会社でも対応できます。
必要書類を事前に用意しておくことで、スムーズな資金調達を実現しましょう。